テーマ:『少女の内実』
それはちなっちゃんのレースの襟に
ふみちゃんのウェービーヘアーに
シゲの三つ編みに
ゆめちゃんの寝間着に
考えてみれば、少女たちだけがひっそりと閉じこもった密室的世界は、
「ひらひら」を生起させる地場として、ふさわしかったかも知れない。
何故なら「ひらひら」には、リボンやフリルのゆれる動きがその典型であるのだが
絶えず境界を移動させる自在さはあっても、
宙高く飛躍する自由さはないのだから。
ゆり動かされた動きには、間もなく鎮まる時が訪れるのだ。
なにしろ、ふとした身じろぎや、風の戯れで起こる「ひらひら的」な動きは、
幻に似たはかなさを性としており、
肉体のひろがり、自由への憧れは表現してはいても、
それらは、所詮、「束の間の夢」であり、「虚なるもの」にすぎない。
それだからこそ、「ひらひら」は、実利と結びつかぬ少女たちの憧れや、
実態を持たぬ幼い媚態と、見事に照応し合い、交響し合ったのだろう。
そして、目に鮮やか「リボンとフリル」の動きと、
おだやかな「繭の中のまどろみ」が、
矛盾なく重なり合う「少女の時」の不思議さは、こうして出現することになる。
「ひらひら」の系譜 / 本田和子
今月も「VACANTの課外授業」へ。
今回のテーマは「雑誌『オリーブ』をめぐって」。
講師は金沢21世紀美術館のキュレーターである高橋律子さん。
お客さんは服飾系の学校に通ってるであろう若い女子がほとんどで
わたしとは完全に『オリーブ』の捉え方が違っただろうな。
オリーブ言葉に影響された嶽本野ばらさんのエピソードや
安全ちゃんの演説の引用など、中々唸ってしまう授業でした。
しかし、いまって本当になんでもかんでも
「かわいい」の傘下ですよね。
女の子はかわいいが無ければ生きていけない。
ウーマンという違和感。